私がお嬢サマっ?!

始まりは一本の電話から 優梨side


「いってきまーす!」
今日もみんなの声が響く。
「いってらっしゃい♪」
みんなを送り出しているのは、
すずらん学園のお母さん的存在の
林田理子(はやしだ りこ)さん。
みんなリコさんって呼んでいてとってもやさしいんだ。

学校・幼稚園にいくみんなと、
それを見送っているリコさん。
いつもの光景。


「ほら、陸おきて!早くしないと遅刻するよ!!」
「うん・・・今何時・・・ってあと20分しかないじゃん!!!」
「だから何回も起こしてたんでしょ!もうっ!!」
こんなやりとりをしているのは由希と陸。
これもいつもの光景(笑)
まったく、朝から仲が良いんだか悪いんだか・・・

「ごめ~ん優梨、祥平と先行ってて!」
「了解☆祥平、いこっ」
「おう!」

「優梨おはよ~!」
「おはよ!」
あたしたちのクラス2-1はすごく仲がいいから
学校も楽しいんだ♪

そんなこんなであっという間に放課後になり、
あたしは由希と一緒に帰った。
「ただいま~」
「おかえり。優梨ちゃん、ちょっと話があるんだけどいいかな?」
あきらかにいつもと声のトーンが違うリコさん。
それを察したのか、由希が
「先部屋行ってるね」といった。
いったいなんなんだろう・・・


「実はね、お昼ごろ電話があって、優梨ちゃんをうちに引き取らせてくださいって
電話があったの。」
「それって親戚の人?」
あたしが聞くと、
「ううん。お母さんとずっと友達だった人らしいけど・・・」
「そうなんだ・・・」
そっか・・・ってえ~っっっ!
あたしもう、ここにはいられないの?!
大好きだったすずらん学園や学校とも、
お別れしなきゃいけないの?!
あたしはリコさんの話も耳にあまり入らず、
ただぼーっとしていた・・・
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