Long Road
Act.1
この国に来ると思い出す。

大勢の人の涙と、

呆然と立ち尽くす自分。

そして雪。


交錯する記憶の中でそれだけを取り出すことができる。

ときどき、なにもかもが夢なのではないかと思うときがある。

今、自分が生きていることさえも。



やさしくて、残酷な最期の手紙だけが、わたしの時間を動かしはじめる。




生きなくてはならないと、思い出させる。



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