Long Road

吐息をついた。

教室独特の古びた匂いが、

蓋をしていたはずの記憶を引っ張り出す。


「こんな昼間からため息なんてついてどうする?

それとも、私に会うのが憂鬱だとでもいうのかい?」



傍らで人の気配がした。

我に返ると、そこには温かい笑顔があった。


「教授・・・!」


この人は、どうしてこんなにいつもわたしの心を温かくしてくれる笑顔をくれるのだろう。


まだ、ずいぶん若いはずなのに、どこでこんな表情を覚えたのだろう。

日本では見かけることのない笑顔だった。

良くも悪くも、この国は懐が深いんだろう。



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