Long Road
「それが、君にとって、ハッピーならことなら良いんだけど。
あんまり、そんな訳でもなさそうだったから。
君とは、不思議な縁を感じてしまっていてさ。
いつもの僕なら、見て見ぬふりをするところなんだけど。
気に障ったら、ごめん。」
「ううん・・・あなたって、不思議な人ですね。
それに・・とっても不思議な縁ですよね。
さっき職業柄って言ってたけれど、何をしている人なんですか?」
「俳優なんだ。」
「俳優!?」
あまりに、現実離れした、職業名に驚いてしまった。
確かに、外見からみても、否定する要素は全くなくて、
むしろ納得するほどなんだけれど、
でも、その職業は、わたしにはどうもピンとこない。
「俳優って・・・あの、映画とかでたりする、あの俳優・・ですよね?」
すると彼は、ふき出した。
「くっくっく・・・そう、その俳優だよ。
いやあ、その反応は新鮮だな。」
なんだか、ちょとからかわれてる様なその言い方にむっとして、ふて腐れたような言い方をしてしまった。
「・・・俳優って、そんなに人をよく見ているものなんですか?}
彼は、そんな私を少し目を細めて、まるで慈しむかのように、わたしを見た。
「あのさ、敬語いらないから。」
なんだか、話をはぐらかされた気がして、唇をとがらせた。
「無理、です。・・・大人な人なのに・・・。」
それを聞いて、彼は、苦笑する。
「大人って・・・。なんか、傷つくな。そんなに歳変わらないと思うけど。」