Long Road
式はシリアスでも、その後のガーデニングパーティーは華やいでいた。

お祝い一色の雰囲気と美味しい食事にお酒。

懐かしい友人達。

久しぶりに楽しい気持ちになった。

それにしても、なんてことかしら。

あのジェシカが結婚するなんて。


時間は確実に流れてる。


「ターシャ、一曲、私のために弾いて。」


それは、突然の指名だった。

驚いて振り向くと、ジェシカが微笑んで、すぐ傍に立っていた。

そして新郎が握手を求めてきた。

吸い込まれるように手を伸ばして、その手を掴むと、

温かくて大きな手が私の手を包み込んだ。

わたしは、うなづいた。

そう。

だったら、なにか一曲。

今の想いを込めて。

あなたの幸せを祈りながら。

そして、その門出に私たちの今までの思い出も少し添えて。


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