Clear.
風で”ガサガサ”って
木が揺れるたびあたしは
立ち止まってしまう。
その度 龍弥は笑いながら
更に強い力であたしの手を引いた。
「 ・・・・・・わぁ! 」
お化け屋敷を抜けた気分。
目の前に広がる真っ暗な海。
月に照らされた砂浜みたいな所は
砂が光って見えた。
「 昼じゃ、こうはならねぇから 」
”夜しか来ねぇ”って
優しい顔をして教えてくれる。
「 あたしをココに連れてきてよかったの? 」
ココが、龍弥の1番好きな場所。
あたしだったら 誰にも知らさず
あたしだけの秘密にしたい。