Clear.
キス
家でも何度か交わしたキスは
その後何もなかったような
会話で かき消されてしまう。
「 ・・・んっ 」
けど、その会話すらない。
お互いの気持ちすら分からないのに
あたし達は自然と求め合って
何度もキスを交わした。
「 麗華? 」
「 うん? 」
「 何で、泣くんだよ? 」
右手で あたしの涙を拭って
・・・・・・そのまま唇へ。
「 ・・・・幸せ、だからかな 」
「 ・・・ 」
「 龍弥は? 」
腰に回された龍弥の手。
間近にある龍弥の顔は
暗いからそんなに見えない。