Clear.
龍弥が守ってくれた。
龍弥が助けてくれた。
『大丈夫だから』って。
「 尻軽女になったんだなぁ・・ 」
いつの間にかあたしのすぐ後ろまで
近付いていた父は耳元で
”龍弥くんだっけ?”と
楽しそうに話を続ける。
「 もう、やめてよ・・・ 」
「 何を?お父さんが娘に
付き合う男は選べと
教育をしているだけだぞ? 」
「 ・・・近寄らないで!!!
あたしに関わらないで! 」
無意識に走り出して
閉じかけたドアの隙間に駆け込んで
初めて”駆け込み乗車”をした。
「 ・・・っはぁ 」
窓の外で 悔しそうに顔を歪めた父は
あたしから目を逸らさなかった。