Clear.




「 ・・・・龍弥ぁ・・ッ 」





もう、会わないって
・・・決めたのに。





「 ・・・・黙って出て行くなよ 」


「 ひぅっ・・・いひゃい~~っ! 」






頬を抓るその手に
もう触れられないと思っていたのに。
あたしはまた、甘えてしまう。






「 探しに行こうと思ったんだけど
  海が、紫と駅にいるとこ見たっつーから
  まさかと思ってココ来たんだよ 」


「 ・・・・ 」


「 ったく。あのな、俺が疲れてるって
  お前言ったけどな?









 お前がいなくなることの方が
  俺にとっては痛ぇんだけど。 」







腰に回された腕に力が入って
肩に顎を乗せた龍弥を見て
山本と紫さんは個室から出て行った。






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