Clear.
「 ・・・・? 」
眠い目をこすりながら
携帯を耳に押し当てて
ボソボソと呟くような
小さな声を聞き取ろうとしたけど
・・・まったく聞こえない。
「 もしもし? 」
『 誰? 』
「 ・・・貴方は? 」
聞こえたのは、海くんの声でも
楓くんの声でも、紫さんでもない。
聞いたことのない、女の人の声。
『 龍は? 』
「 どちらさまですか? 」
『 龍は? 』
苛々したような声だったけど
構わずに同じことを聞き続ける。