Clear.




・・・少し、泣きそうになってしまう。
彼の愛してるって言葉には力がある。
その声で、その体で、名前を呼んで
あたしに触れて。





「 愛はないの? 」





あたしだけに、溺れてほしい。





「 ・・・どうかなぁ 」





今は言わない。
彼の全てを知らないから
今はまだ、意地を張りたい。






「 ・・・ったく 」


「 龍、もう1回言って? 」


「 ”龍”じゃないだろ? 」






クイッと彼の袖を引っ張ると
彼のムスッとした顔があたしを見て
思わず笑いそうになったけど







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