Clear.




「 ・・・どこ行くんだよ 」




投げつけられたクッションを
片手でキャッチして
元の場所に戻すと、
龍弥も準備を始めた。




「 紫さん探しに 」


「 何で? 」


「 風邪かもしれないし・・ 」




人の心配をしすぎて
自分を後回しにしていたら
今頃倒れているかもしれない・・・




「 別にいいけど・・場所分かんの? 」


「 ・・・・う 」


「 歩いていけんの? 」


「 ・・・・うぅ 」




準備を終えた龍弥が楽しそうに
口元を歪ませて、あたしの腕を掴んだ。








< 262 / 281 >

この作品をシェア

pagetop