Clear.




不思議と、涙は出なかった。
朝泣いたからなのか
”他人”だと意識し始めたからか
自分にも分からない。





「 麗華、お前・・・ 」





何かを言いかけた龍弥さんは
あたしの携帯を強引に奪うと
カチカチと操作する。





「 やめ・・・っ! 」





スケジュールに書いてある
”誕生日”と・・・・”命日”。






「 変だと思った 」





スケジュールを見たのか
大きな溜息をついた彼は
立ち上がって あたしを抱き上げる。






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