桜雪
「うん。」

「カイさんはカイって本名なんですか?」

「違うよ。源氏名だよ。」

「本名は秘密ですか?」

「うん。まぁね。んな事よりなんでこんなとこいるの?」

1番聞かれたくなかった。

というかなんて答えたらいいかわからなかった。

迷って黙ってるいる私にカイさんは

「言いたくなかったら言わなくってもいいよ。」

と笑顔で付け足した。

「おうちの人は心配してない?」

「家は大丈夫です。」

「そっか。今日金曜日だから明日学校とかないよね?」

「ないです。」

「んじゃどっか遊び行かね?」

この人はどこまで不思議なんだろう。

私がどこかでいつも考えていることを

彼なら理解してくれるんじゃないか。

彼ならつまらない毎日に色をくれるかもしれない。

そぉ思い始めていた。

「行きたいです!」

満面の笑みで答えた私はカイさんの後ろから

電車に乗り込んだ。
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