桜雪
「ゆなちゃん?どーかした?」

ぼーとした様子だった彼女がはっと我に帰ったようだ。

「なんでもないです。」


「あははっもしかして緊張してる?」

ほんの冗談のつもりだった。


「緊張しますよー。」


この先俺が余計なことを言わなければ


彼女を泣かせることもなかっただろう。


でもそれと同時に彼女が夜の街にいた理由を


しることもなかったのだろう。



「安心して。俺子供には手を出さないから。って俺もまだガキか(笑)」


この一言が引き金だった。


彼女の溢れ出てくるものを抑えていた何かが


壊れ始めた。
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