背中越しの笑顔
「なぁ香奈。」
「…なに?」
この無口なやつは犬飼香奈って言っていつも何を考えているんだが、
ぼーと外を見ていているわりにはテストできんだよなぁ…
世の中不公平だ…
ってか授業中にこいつも先生の話きいてないよな…
まぁ、俺は聞いてもがんばらないとわからなんいだけどね!
「いや、いつもなにを見ているのかなと思ってね。」
「…雲。」
「雲ねぇ…」
窓から見える空には確かに雲がぷかぷかとういていた。
まぁ確かに雲があるよ、それもたくさんね…
そもそも、雲って単体なのか塊なのかしらないな、まぁそんなことはどうでもいいか。
「あそこで寝たら気持ちよさそうだなぁ…」
「…そうね。」
「えー、雲ってマシュマロみたいでおいしそーじゃん。」
「それはお前だけだって…まったくさくらはいつだってお菓子だな。」
「いつもお菓子ばっか、考えていないもん!」
「じゃぁ手に持っているチョコはなんだよ…」
さくらの手の中には袋からだしたばかりと思われる。モッキーのチョコ菓子が握られていた。
「こ、これはそ、そう真由奈にもらったんだよ。」
まぁ、確かにあいつはお菓子昔から好きだからね。
真由奈の方に目をやると、確かに同じようなお菓子を食べていた。
「なによ!文句あるの!」
うーん同じようなとはいうけどなんかの限定販売のやつっぽいな…
「いや、ないけどさ… いつも何かしらお菓子食べているよな。
まぁ好きなのはわかるがね…」
「べ、べつに私がなに食べていてもあんたには関係ないでしょう!」
「そんなにつっかかるなって…」
「わ、わたしは別につっかかってないもん!」
「わかったからさ」
あぁもうなんでこいつは二人でいるときと反応が違うんだ…
いみわかんねぇなもう…
「欲しがってもあげないからね!」
「はいはい。」
「んで、アンタは何してるのさ?」
慶介に向って、哀れみをかける様な、呆れて物も言えない様な視線を注ぎながら言うと
「いや、ちょっと仕込み消しゴムでもおもしろいかなぁと。」
「へー、そうなんだ。」
もういいや、ほうっておこう…
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