オタク彼氏と最強彼女


「く、倉木くん、ひとつ聞いてもいいかな?」

「なんですか?」

「どうして敬語なのかな?」

「ハルヒのキャラの真似ですよ。知ってるでしょう?」

「あはははー…」


その名前は聞いたことあるけれど、口調までは知りません。


「早見さんはどうして俺に告白したのですか?」

「えっ」

「どう見てもオタクに見えな…、ハッ!隠れオタク!?」


ちげぇよ。


「早見さんなら乙女ゲームとかですかね?あ、でも腐女子って可能性もある?」

「ふじょし?」

「腐ってる女子のことです」

「腐っ…!?」


私は生きてますけど!?


「でも貴方みたいな方が告白してくるとは思ってませんでした。オタクは毛嫌いされますから」

「あー…まぁ、ね。てか眼鏡とればいいのに…」

「眼鏡?」

「眼鏡とれば、カッコイいし…」

「ふーん…、こう、ですか?」


倉木は眼鏡を取ってこちらに微笑みかけた。

うん、やっぱりカッコイい。
長い睫毛に大きな瞳。
髪も少しふわりとさせれば、そこら辺の男よりカッコイいと思う。


「でも、見えないから眼鏡はないと困ります」


あー…
奇跡の時間終了…


 
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