ただ君だけを。
陽歌side
「ハル、大丈夫?」
目の前で不安そうに秋人が私の顔を覗き込む。
「大丈夫だよ!もう保健室も行ってきたし」
本当は大丈夫じゃないけど。
めちゃくちゃ痛いけど。
「そ?」
秋人は私の彼氏。
私の名前が『はるか』だから私のことを『ハル』って呼んでいる。
「あー…葉山と最近どう?」
「今日話してくれたよ。嫌われたと思ってたけどそんなことなかったみたい」
「よかったね」
「うん。あーあ。いつか普通に話してくれるようになるのかなぁ」