ただ君だけを。
何が悲しかったって、“私”を拒否されたこと。
…さっき夏輝の部屋にいた間、夏輝は一度も私の目を見てくれなかった。
誕生日を祝うのは、17年間生きてきた中で6歳の頃からずっと欠かさずにやってきた、恒例行事みたいなもので。
私の中では、もう生きていく中で絶対毎年やることだって決めてたから。
勝手に夏輝も同じ気持ちだって思ってたのに。
夏輝は、そうじゃなかった。
私の事なんてどうでも良かったんだ。
考えてみれば当たり前かもしれない。
だって夏輝には祝ってくれる女の子がいっぱいいるじゃない。
わざわざ私が祝う必要なんてないじゃん。