ただ君だけを。
考えれば考えるほど涙は溢れてきて。





秋人はそんな私を何も言わずに抱き締めてくれる。





いつもより強く、でもいつもより優しく。





まるで壊れ物を扱うように。





そんな秋人に、私はただただ自分を委ねる。




夏輝…


最近前にも増して授業来なくなったよね。




学校へ行く時だって私が家を出るのよりも早く行ってるよね。



目が合ってもすぐ逸らすよね。



なによりも…




――「陽歌!」――



笑って、くれなくなったよね。







< 29 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop