ただ君だけを。



―――――――――

――――――――――――…




「ひゃ…っ」




突然、目元にひんやりと冷たさが広がって、目を開けた。




「おはよ」




しかし、声は聞こえるのに何も見えない。




それもそのはず。




私は自分の目の上にあった真っ白なタオルを取って、上半身を起こした。




…えっと…昨日…秋人の家来て…泣いて…



それからどうしたっけ?




昨日の記憶が曖昧で、よくわからない。




「寝ちゃったんだよ。泣き疲れて」






< 30 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop