ただ君だけを。
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「ひゃ…っ」
突然、目元にひんやりと冷たさが広がって、目を開けた。
「おはよ」
しかし、声は聞こえるのに何も見えない。
それもそのはず。
私は自分の目の上にあった真っ白なタオルを取って、上半身を起こした。
…えっと…昨日…秋人の家来て…泣いて…
それからどうしたっけ?
昨日の記憶が曖昧で、よくわからない。
「寝ちゃったんだよ。泣き疲れて」