ただ君だけを。
「ごめん。ホントにごめん。それと、プレゼントありがと」




少し照れくさそうに眉を下げて夏輝は笑った。



でも私は、ありがとうっていてくれたことよりも、夏輝が笑ってくれたことのほうが嬉しい。



久しぶりに見た、夏輝の優しい笑顔。




その顔はクマがあってもかっこよくて。




いや、恋愛の方じゃなくて普通に顔が。




顔の好みって言うのは、好みは人それぞれ違うんだろうけど、誰が見ても夏輝は綺麗と呼ばれる部類に入るんだろう。




嬉しさで顔が綻んでいく中、ふとそう思った。





「じゃ、俺帰るな。眠いし」




ふぁぁぁ…と本当に眠そうに欠伸をして、夏輝は踵を返し、自分の家に入っていった。






夏輝は、似ている。





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