ただ君だけを。
「ふっ…」




嫌いになって、なんて俺らしくないなと、自虐的な笑みを浮かべる。




だってしょうがない。



あんなラブラブのところ見せ付けられて、それでもまだ付き合おうなんて考えない。





「『大好き』か…」




プレゼントの中に入っていた小さな紙をもう一度読み返す。





本当のところはよく分からない。





『好き』になってほしいとまだ願ってる自分と『嫌い』になってともう諦めた自分。





どちらが本当の俺なのかは、本人の俺でさえ見当も付かない。





ただ一つ言えるのは、陽歌を好きだということ。




愛してるということ。




これだけはきっと何もない俺が誇れる、世界一の想い。






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