ただ君だけを。
「ハル。俺今日委員会の集まりあるから先に帰ってていいよ」



「ん。分かった」




秋人は同じクラス。




ちなみに風紀委員だから委員会のせいで居残りになって一緒に帰れないこともよくある。




「林間学校あるって言ってたよね。だからこれからしばらく一緒に帰れないと思う」




目の前で申し訳ないというよりも心配の気持ちが大きい目を私に向ける。





「大丈夫だよ。また林間学校終わったら一緒に帰ってどっか連れてってね!」




むぎゅーっと色白な頬をつねると『痛いって!』と言って涙目になっていた。




でもすぐに真剣に顔になる。





「変人に声かけられたら股間蹴ってすぐ逃げなよ!」



「わ、分かった」





赤くなった頬をさすりながらずいっと顔を近づけて言う。






…変人って…







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