ただ君だけを。
第六章
夏輝side




「いいかー。話をよく聞いて、迷惑掛けるんじゃないぞ」




ゴリラ顔の教師の野太い声が耳に障る。






――――――今日は林間学校の初日だ。





時が経つのは早くて、あっという間に二週間が過ぎてしまった。





過ぎてしまった、というのも俺は元々乗り気ではなかったからだ。





ここの校長はありえないくらいのバ…お茶目だから何をしでかすか分からないらしい。




そもそも林間学校っていうのがおかしい。




それに、ここは金持ち校なだけあって金だけは有り余るほどあるから、毎年莫大な金を使ってとんでもない企画を持ち出すとか。





一種の噂だけど。





< 47 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop