ただ君だけを。
そうしている間にも足は進んでって、あっという間に部屋のある10階へ。




エレベーターもあるのに使わなかったのは、少しでも部屋にいたくなかったから。






でもそんな事をしても意味はないに等しくて。




目の前には大きな茶色い扉に金色で1002と書いてある扉。





はぁ、と一息漏らして金色のドアノブを捻る。





するとすんなり開いて、中からぺたぺたとスリッパの音がする。





鍵ぐらい閉めろよ。




「誰ですかー?」





少しイラっとした俺の前に現れたのは、さっき言ったとおり。





「え?夏輝!?」





………まぁ想定内のリアクション。






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