お兄ちゃんと最後の時間【完】
「泣くな。ほら、乗れ」

お兄ちゃんは私の前にしゃがんで
背中を向ける。



え?おんぶしてくれるの!?

「あ…でも」

「のんねぇならいいわ。」

「それはダメ!乗る…。」


私は痛くない方の足からかけて、
お兄ちゃんの大きな背中に乗った。

暖かい………すっごい久しぶりだな。


五歳以来だよ。
< 9 / 40 >

この作品をシェア

pagetop