文実委員になったから
開く距離




カーテンの隙間から差し込んでくる太陽の光。
ぼんやりとした頭の中、まぶしいなぁ、もう朝かぁ、なんて思った。


ゆっくり起き上がると、身体の違和感に気づく。


あ……昨日帰ってきてすぐに寝ちゃったんだっけ……。


制服のまま寝てしまったようで、ブラウスもスカートも少ししわになっている。


いつもならどんなに疲れてても、きちんとパジャマに着替えて寝てたのに。昨日の私はどうしてしまったんだろう。


昨日……ああ、相沢くんに振られたんだった……。


野川先輩と私を重ねてたって、ハッキリ言われた。私は否定してほしかったのに、相沢くんは平然と、さも当たり前かのように。


やっぱり、相沢くんは“私”に優しくしてくれたわけじゃなかったんだなぁ。


薄々感じてはいたけど、本人にそう言われると結構ショックも大きくて、昨日はご飯も喉を通らなかった。


それでそのまま、心配するお母さん達に構うことなく部屋に戻って、いろいろ考えていたらいつの間にか寝てしまった。


今日って……文化祭の準備あったっけ……。


机の上に置いてあるスケジュール帳に手を伸ばし、今日のところを見ると、オレンジのペンで印がつけられていた。


あるのか……。



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