文実委員になったから




そのあと、何だかお互い気まずくなって、私たちはあれから必要最低限のこと以外は話さず、買い出しから戻ってきた。


他の1年生たちも買い出しから帰ってきていたようで、私たちを見るなり副委員長が「やっと戻ったかー!」と元気な声をかけてくる。


「すみません、遅くなってしまって」


「いいっていいって。暑い中お疲れ様でした!じゃあ、みんな戻ってきたし、そろそろ昼飯にするか!」


時計を見るとちょうどお昼の12時を示していて。
そう言われてみればお腹が空いていたなぁ、なんてぼんやりと思った。


「1時まで昼休憩!午後からまた作業再開すふから、ここに集合なー!」


副委員長の指示で、文実委員のみんなは各々自由に昼休憩に入る。


友達同士でわいわいと教室を出ていった女の子達を見て、少し羨ましくなった。


久しぶりだな、こんなふうに寂しい気持ちになるのは。


いつもなら……。



『香波!一緒に飯食おうぜ』



そう言って、私の隣にやってきてくれる相沢くんがいるのに。


今日は、いないんだよね……。


私は、お弁当を持って、とぼとぼと中庭へと向かった。



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