文実委員になったから
「もうお昼休み終わっちゃうから、電話……切りますね」
泣いてることがバレないように、なるべく声が震えないようにそう告げると、「わかった。じゃあな」とだけ残して電話は切られた。
どうして、いつの間に、相沢くんのことをこんなにも好きになっていたんだろう。
高校に入るまで、男の子どころか女の子の友達さえいなかったのに。
そんな私が、誰かに特別な感情を持つようになって、毎日泣いたり笑ったりと忙しい。
普通の人なら、恋をしてそうなることは当たり前なのかもしれないけど、少し前の私なら有り得ないことだった。
だからこそ、どうしたらいいのかわからない。
失恋しているのだけど、好きという気持ちは止められなくて。
「相沢くんのせいですよ……」
嬉しくなったり悲しくなったり、相沢くんの言葉に一喜一憂して、テンションが上がったり下がったりの繰り返し。
振り向くことはないとわかっていても、諦めずに想いを貫くことはアリなのかな。本当なら、好きな人の幸せを見守るのが大事なんじゃないのかな。
誰かに……相談したい。
携帯のアドレス帳に入ってるアキちゃんの番号を眺める。
私と友達になってくれたアキちゃんなら、私に素晴らしいアドバイスをくれるかもしれない。
私はさっそく、相談したいことがあるとメールを打った。
数分と経たずに返事は返ってきて、今日文化祭の準備が終わったら会うことになった。