文実委員になったから



「もうお昼休み終わっちゃうから、電話……切りますね」


泣いてることがバレないように、なるべく声が震えないようにそう告げると、「わかった。じゃあな」とだけ残して電話は切られた。


どうして、いつの間に、相沢くんのことをこんなにも好きになっていたんだろう。


高校に入るまで、男の子どころか女の子の友達さえいなかったのに。


そんな私が、誰かに特別な感情を持つようになって、毎日泣いたり笑ったりと忙しい。


普通の人なら、恋をしてそうなることは当たり前なのかもしれないけど、少し前の私なら有り得ないことだった。


だからこそ、どうしたらいいのかわからない。


失恋しているのだけど、好きという気持ちは止められなくて。


「相沢くんのせいですよ……」


嬉しくなったり悲しくなったり、相沢くんの言葉に一喜一憂して、テンションが上がったり下がったりの繰り返し。


振り向くことはないとわかっていても、諦めずに想いを貫くことはアリなのかな。本当なら、好きな人の幸せを見守るのが大事なんじゃないのかな。


誰かに……相談したい。


携帯のアドレス帳に入ってるアキちゃんの番号を眺める。


私と友達になってくれたアキちゃんなら、私に素晴らしいアドバイスをくれるかもしれない。


私はさっそく、相談したいことがあるとメールを打った。
数分と経たずに返事は返ってきて、今日文化祭の準備が終わったら会うことになった。



< 139 / 248 >

この作品をシェア

pagetop