文実委員になったから




それから放課後。
文実委員の委員会があることを知ってか、さすがに今日は誰もあたしに掃除を頼んでくる人はいなかった。


そして委員会のほうは、今日は文化祭実行委員会委員長と副委員長を決め、そして文化祭までの準備の流れを軽く説明されただけで終わった。


ちなみに相沢くんは、頑張ろうなどと言っておいて委員会中に居眠り。


全くと言っていいほど真面目に聞いている様子は見られなかった。


ここでちゃんと委員会に参加してくれれば……少しは見直すのに。


よだれをたらしながら気持ち良さそうに寝ている相沢くんを見て、私はそんなことを思った。


「では、本日の文実委員会は終了します。これから文化祭までよろしくお願いします」


委員長のはきはきとした声にならい、文実委員となった生徒達は多目的室をあとにする。


誰もいなくなって静寂が訪れたことにより、異変を察知したのか相沢くんはやっと目覚めた。


「……あ?もう終わっちゃった感じ?」


「え!? あ、はい……そうですけど……」


明らかにまだ眠そうなぼんやりとした声で、「んー、そっかー」とゆるーく返事をする。


あ……そうだ。今なら……。



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