文実委員になったから
出会えて良かった
文化祭まで一週間を切りました。
もうどのクラスも、それぞれの出し物の完成が見えてきていている。
そして、私たち文実委員がコツコツと作り上げていたアーチはというと。
「あとはここを塗って……。
できたー!!完成ー!!」
野川先輩の元気な声のあと、自然と周りからパチパチと拍手が起こった。
綺麗な七色の架け橋は、まさしくアーチと呼ぶにふさわしい。
これを学校の門のすぐそばに設置すれば、ほんとのほんとに完成です。
「まだまだ細かい作業とか、やらなきゃいけないことはあるけど、とりあえずメインのアーチ作りは無事に終わりました。皆さん、お疲れ様でした」
ハキハキと野川先輩が話す中、皆、ひと仕事終えたという安心感と達成感に満ち溢れていた顔をしている。
私もまさしくその一人だ。
「さーて、感傷にひたるのはあと!文化祭本番まであと一週間!この7日間を無駄にしないようにねー!」
そう言ってこれからの作業の分担をはじめる野川先輩なんだけど、なんだかいつも以上に明るく振る舞っているように見える気がする。
そして、そんな野川先輩を、柏木くんがどことなく苦しそうな目で見つめていた。