文実委員になったから
相沢くんが教えてくれたコンテストにまつわる噂というのは、ミスコンとミスターコン、それぞれでグランプリをとった男女は両想いになれる、という素敵なジンクスだった。
「まあ、あくまで噂だけどな。グランプリをとった男女はカップル成立率が高くて、中には卒業した後もずーっと付き合ってる奴らもいるんだってさ」
「えー!そうなんですか!素敵ですね!」
コンテストに出て、さらにグランプリまでとっちゃうぐらいだから、それはそれは美男美女のカップルなのでしょう。
私たち庶民には、一生の憧れです。
「そんなん噂だろー?今時そんなの信じてんの?随分と乙女チックなんだね、相沢くんは」
嫌味っぽく言う柏木くんが気に食わなかったのか、相沢くんも眉間にしわを寄せながら応戦し始める。
「お前みたいにただただ馬鹿にするような夢のない奴よりはマシだよ」
「あ、あのっ、お二人とも落ち着いて……」
険悪なムードが漂ってきたので慌てて間に入るも、オロオロしてしまうだけの自分に返って落ち込んでしまった。
「あ!ミスコンと言えば、野川先輩も参加されるんですよね!」
必死で話題を変えようと野川先輩の名前を出した途端、喧嘩はぴたりと止まり、柏木くんの目の色が変わった。