文実委員になったから
文実委員になったから




あれから月日が流れ……4月。


桜が綺麗な春は出会いと別れの季節です。


私にも、別れがやってきました。




「うぅっ、アキちゃぁん……!」


「かーなーみぃー……!」


玄関前に設置された大きな掲示板に貼りだされた紙を見たあと、私はアキちゃんと向かい合う。


お互いにうるうると涙目で見つめあ合ったあと、ひしっと抱き合った。


「「離れ離れになってもずーっと仲良しだからね〜〜〜っ!!!」」


「クラス替えごときで、そんな大袈裟な」


わーんと抱き合って泣く私たちを見て、相沢くんがとっても冷静に言った。


そう、今日から新学年、私たちは高校2年生になりました。


そしてそれに伴って行われるイベントが、クラス替えだ。


私は今年は1組、アキちゃんは3組で、離れてしまったのです。


別れは悲しいけど、いくら教室が離れたとしても、私たちの友情は不滅です!


「そんな一生の別れじゃないんだけど、泣くほどのことじゃねーだろ?」


相変わらずクールドライな相沢くんに、アキちゃんかぷくっと頬を膨らませて言った。



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