文実委員になったから
結局始業式が終わって教室に戻ってきても、私はタイミングを逃してあの女の子に話しかけることはできなかった。
相沢くんにそのことを話すと、「また明日頑張ればいいじゃん」と優しく笑ってくれた。
放課後になり、私は1組の教室でアキちゃんが来てくれるのを待っていた。
「俺が香波と一緒に帰りたいところだけど、今日はクラスが離れて可哀想な清水に譲ってやるよ」
「あ、相沢くん……」
相沢くんがわざとらしく口を尖らせながら言う。
相沢くんは今日からさっそく部活があるらしくて、これからミーティングとのこと。
始まる時間まで相沢くんも1組の教室に残っているのです。
「あ、アキちゃんやっとHR終わったって」
アキちゃんからのメールを見て、私は相沢くんに言う。
「じゃあ、俺もそろそろミーティング行こうかなー」
相沢くんが大きく伸びをしていると、今日のHRでさっそく決まったクラスの学級委員の子が教室にやってきた。