文実委員になったから



結局俺は、桜さんが怒られるとわかったうえでサボるなんてさすがに心苦しかったので、仕方なく入学式に参加した。


出席番号は1番だけど、遅れてきたので自分のクラスの最後尾に並ぶ。


「おお!やっと来たか、相沢!」


「あぁ……」


担任の小川とかいう先生が声をかけてくる。
こいつ……最初から自分で俺を連れ戻しに来ればいいのに。汚い手使いやがって。


そうは思ったけど、おかげで同じクラスに面白い女子がいるとわかった。


そういえばあいつは……。


後ろから桜さんの姿を探す。


さっきまであんなに取り乱してたっていうのに、今はくそ真面目に校長の長い話を真剣に聞いている。


周りは寝そうになってる奴もいるっていうのに。


大人しくてビビリなのかと思えば、キレるとあんなふうに言い返してきて、あいつの予想外の行動に俺の好奇心は完全に持っていかれた。


覚悟しとけよ、桜香波。


これからどんどん、お前のいろんな表情引き出してやるからな……。



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