いつかの花。


 雨空に、稲光が矢となって走った。

 次の瞬間。













「っ、ぎゃぁぁぁぁぁぁああああああああっっ!!」



 ゴロビカガシャドーン、という鼓膜を震わす爆音とともに、雷が落ちた。

 近い、と思う間もなく、ふわりと意識を撫でられたような気がした。



 え……?



 なんだ、と思った時にはもう、私の目にはただ、白い光だけがあった。


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