いつかの花。

「十分説明には時間を使いましたもの。後はあなたが適当にやってくださいな」


「そうそう。特にアレやれコレやれとは、俺たちは言わないから」


「あなたがするべきだと思ったことをしてくださればよろしいのよ」


「そのために君を選んだのだしね」



 て、適当にって……それでいいの?



 交互に話す二人に、一瞬でも詰まってしまったのが、私の負けだった。



「では、全は急げとも言うし」


「そうですわね。では小野蘭花。がんばってきてくださいませね!」


「時期が来たらまた迎えに行くからその時はよろしく」



 トン――と。

 サノに額を指弾された途端に、目の前が白くなった。



 そしてすぐに、浮遊感に体が包まれたと思った。



 次の瞬間、私の意識は遠のいていってしまった。


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