いつかの花。
「そんなことを気にしておったら、小野妹子の孫としてはやっていけませぬぞ」
「はい?!」
ちょっと待ってください。
ウェイト・プリーズ!
真人さん、今……、小野妹子の孫としてはやっていけぬって言った?
私が孫になるのだとしたら、真人さんは……。
「真人さんって、小野妹子の子供なんですか?!」
「そうじゃそうじゃ。言っておらなんだかのぅ?」
「初耳です」
「まぁ、わしは末っ子じゃったからの。兄上はたくさん居るゆえ、そう珍しくはないぞ?」
いえ、十分珍しいと思うんですけれど。
それにしても、驚いた。
あの、小野妹子。
聖徳太子の時代、遣隋使として隋にお手紙を持っていった人だ。
確か隋の皇帝を怒らせたんだっけ?
『日出る処の天子、書を日没する処の天子に致す』だったっけ……。
ああ、日本史の授業、もっとよく聞いておけばよかった。
今更ながらにごめんね、日本史担当だった某先生。
名前覚えてないから余計に。
「えっと……それで、私はどうすれば?」
「おっ。わしの養女となってくださるか?」