いつかの花。

恐怖の家庭教育


 ビッチリと夕方になるまで、しごかれてしごかれてしごかれて……。

 やはり、堤巳兄様はスパルタでした……。






「おまけに、この宿題はなんなのよぉー!」



 叫びながら、私は机に突っ伏した。

 肩が痛いし、なんだかふくらはぎまで痛い。



 なんて特訓なんだろう。

 なんて情け容赦ないんだろう!

 あの鬼畜兄めっ!



「蘭花、大声出さない」



 疲れたように、湖子は溜め息をついた。



 そんな、これ見よがしにしなくてもいいじゃない!

 なんだか私はこちらの時代に来てから、負けっぱなしのような気がするのは気のせいだろうか……?

 ……気のせいであって欲しい。



「ううう、湖子までがスパルタ……」


「すぱるたとは何かな?」



 突如聞こえた声に、一瞬にして背筋がピンと伸びた。

 隣りで、湖子は目を丸くしてパチパチと拍手していた。



「げっ、つ、堤巳兄様……まだ帰っていらっしゃらなかったのですか?」


「父上に挨拶をしていたからね。それにしても、さっきの『げっ』は何かな? そんなに宿題を増やしてほしいのなら、喜んで増やすよ」



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