いつかの花。

 現代じゃ、国会でなんやかんやと問題になっているのに、この時代ではこれが普通なんだ……。



 改めて感じる。

 ここと、私の生きていた現代とではほとんど全てが違う、と。



「皇極様が天皇にお成りあそばす以前は、宝皇女様と呼ばれていらっしゃったよ。優しすぎるきらいはあるが、とても慈悲深いお方だよ」



 たからのひめみこさま。



 天皇というのは、至高の地位。

 天皇家の争いなんて、昔では頻発していたはず。

 なのに、天皇となった、推古天皇に次ぐ女帝であるお人。



 きっと、色んな苦労があるはずなのに……慈悲深いと、堤巳兄様に称されるようなお方。



 なんだか、深い尊敬が芽生えてくる。

 会ったことも、無いのに。

 その存在だけで、見知らぬ子をも虜としてしまう存在・天皇。



 一度でいいから、会ってみたい。

 ……可能ことではないんだろうけれど。



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