お空に浮かんで
虹が掛かった
「お父さん、今日もお空が泣いてるよ?」

朝九時の空は、夜のように薄暗く、ショウは窓の外を見ていた。
空模様はあいにくの雨。
黒い雲がどこまでも続いていた。

「これじゃあ、今日はショウと遊びに行けないな…」

ショウのお父さんがショウに言った。

「ねぇね、お父さん、僕のお母さんって、お空に旅行に行ったんだよね?」
「え?」

ショウのお父さんはびっくりした顔をして、ショウを見つめた。
ショウは満面の笑みで話しています。

「もしかして、お空で迷子になっちゃったのかな?」

窓際に座っていたショウは頬杖をつきながら、続けます。

「迷子になっちゃったから、泣いて、雨になって降ってるのかな?」

ショウのお父さんは、黙っています。
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