シーソーゲーム
「桜」

声をかけられ、振り向くと、
「あ…鶴谷くん」

トレイに牛丼を乗せた鶴谷くんが立っていた。

「隣いいかな?

どこも席がいっぱいで」

空席になっているあたしの隣を目で示しながら、鶴谷くんが言う。

「別に座ってもいいけど、いい?」

向かいの席のミサとエリに確認をとると、縦に首を振った。

「じゃ、失礼します」

鶴谷くんはあたしの隣に腰を下ろした。

ううっ。

ちょっと、マズいんじゃない?
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