シーソーゲーム
「ドキドキした?」

ニコッと笑いかけながら、帝が聞いた。

「……した」

あたしは、答える。

こんなんで、ドキドキしない訳ないじゃない。

今にも、心臓が爆発しちゃうかも知れないって言うのに。

あたしの答えに満足したのか、
「み、帝?」

クテッと、帝があたしの肩に顔を埋めた。

「いい匂い」

クンクンと鼻を動かしたと思ったら、すぐに寝息。

「……寝ちゃってる」
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