シーソーゲーム
起きる気配を見せない帝。

あたし、いつまでこの体勢なんだろ。

「大人しくするしかないか…」

今はそれしか、方法があるまい。

帝も、そのうち起きるだろうし。

そう思いながら、帝の胸に顔を寄せた。

温かくて、眠っちゃいそう。

そっと、帝の顔を見あげた。

相変わらず、眠っている帝。

ねえ、帝。

あたしが言う帝の好きなところ。

それは、まっすぐなところ。
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