ただ側で…
そう、私に声をかけたのが彼。
中田浩太(なかたこうた)だった。
「佐々木…美佳ちゃんだよね?」
「う、うん」
なんで呼ばれたかもわからず
困っていると、
「次、だよ?自己紹介」
「あぁ…」
適当に受け流して前を見ると
鬼のような顔をした先生が睨んでいた。
しまった。
「す、すみません」
前に行き自己紹介をする。
「佐々木、美佳…です」
教室全体を見回すと…
誰も聞いてない。
ほら、私なんて自己紹介する必要なんて
ないんだってば。
そんな時、
「はいはーい!」
誰かが叫んだ。
「聞こえなかったのでもう1回
お願いしまーす」
余計なこと言いやがって。