キミだけをずっと



大樹は無言のまま黒板の方へ向かった


すると告白現場を聞いていた生徒が友達に何かを伝えていた



私の隣には大樹がいた


黒板消しを握って力強く消しはじめた



「告白されたんだってね」


「うん」


「その子と付き合う…」


「断ったよ」



まだ言ってる途中に大樹は力強く言葉を放った



「何で?」


「何でって…、そうだよな。何でだろうな」



分からない


大樹は今、何を考えてるの?


声も顔も無表情


何もかも真っ白な大樹がそこにいた



「なーんだ、佐野が振ったのか〜」


「残念だな〜」



クラスではもう話しが広まっていた


…恐るべし噂





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