キミだけをずっと
「何するの?」
「あと一ヶ月で推薦入試、三ヶ月後には一般入試でしょ?」
「もうそんな時期かぁ!」
「愛美、あんた呑気だね…」
「んまーそれで、英語でわからないところあるから教えてよ!」
「いいよ!…どこ?」
杏里はバックからテキストを取り出し机に並べた
紗良は落ち着きがなく、周りをキョロキョロと見回していた
「紗良、どうしたの?」
気になった私は首を傾げて紗良に声をかけた
紗良は慌てて私を見た
「んん、何でもない!」
「そう?」
紗良の異様な身動きに不安を感じていた
英語を教えていると何故か杏里の彼氏の話しになった
「前田くんさー、メール返ってくるの遅いんだけど…」
「受験勉強で忙しいんじゃない?」
「だけどさ〜」
杏里はティッシュで目の下の涙袋を鼻を啜りながら拭いていた