キミだけをずっと



気づけば大樹の胸の中でぎゅっと抱きすくめられていた。



バスケ部で鍛えていたガッシリとした大樹の胸板は逞しくて固かった


でもほっとして涙が止まらなかった



大樹によって体を起こされるとそして大樹の片腕が私の口元に止まった


ビックリして下を向いて目を閉じてしまった



ゴシゴシ


大樹が自分の制服の袖で私の唇を擦った



「うぅ〜痛った!」


「これであのキスはチャラだよな!」


「…うっん」



次々に流れる涙が止まらない



「顔上げて?」



顔を上げると大樹は腰を下げ、身長を合わせて私を見ていた


大樹の指が私の顔に触れた


流れる涙を親指で拭く大樹は口角を上げて口元が緩んでいた


冷めた私の頬に触れた大樹の指はとても温かく感じた





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