キミだけをずっと



靴箱で靴を履き換えていると、同じクラスの男子や友達が大樹に



「じゃあな佐野!」


「あぁ、じゃあな!」



清々しい挨拶を交わす大樹を隣で眺めていた。



「行こ?」


「うん」




大樹と並んで帰っていると、あちこちでヒソヒソと話していた。



「佐野くんの隣にいる子って誰?」


「あんな子うちの学校にいたっけ…」


「なんかお似合いじゃない?」



そんな声が私の耳に入ってきた。多分、大樹も気づいてると思うけど…



私の顔を上から伺っていた大樹が私にしか聞こえない声で



「周りなんか気にすることないから」


「え、ううん」



大樹は優しく私を気遣かってくれた。




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